色んな人に話を聞くブログ

主にスタートアップ関連の話を記事にしています。

ベン・ホロウィッツ氏と南場智子さんの話

こんにちは。今回は、STARTUP X by NIKKEIのイベントで、ベン・ホロウィッツ氏と南場智子さんのお話を聞く機会があったので、備忘録としてレポートを書きます。

 

私なりにトピックスと感じたのは以下です。

  • スタートアップは"Bad Idea"からスタートすべき
  • コンセンサスを前提とした意思決定はリスキー
  • CEOはTシェイプを心がける
  • CEOの楽しさは?
  • これまでに投資家から受けた一番のバリューは?
  • 自分だから成功できると考えるのは危険

 

  • スタートアップは"Bad Idea"からスタートすべき

 ここで言う"Bad Idea"とは、大企業の取締役会で承認されそうにないIdeaのことだそうです。例えば、スマホ用の長寿命バッテリーは、開発できれば素晴らしいプロダクトですが、大企業のReverse engineeringとかを受けて、競合製品を上市された場合、資金力や顧客基盤で劣るスタートアップが勝ち残ることは難しいと思います。

 一方、Airbnbのように、宿泊先の質の担保などの問題で、当初は"Bad Idea"と言われたサービスの方が、スタートアップには向いているとのこと。個人的には、Ideaの実現を考えた場合に不確実性が大きく、レピュテーションの毀損に繋がるような問題が起こりうるIdeaが、"Bad Idea"の前提になるような気がします。

 

  • コンセンサスを前提とした意思決定はリスキー

 企業経営における意思決定では、関係者のコンセンサスを得ることが前提となっていることが多いと思いますが、スタートアップが何かしらのブレークスルーを狙って行う意思決定では、コンセンサスを得ることがリスクに成りうるようです。前述の"Bad Idea"の実現を目指す場合、当然、コンセンサスを得るのは難しそうなので、そういうことなのかと思います。

 また、人材を採用する場面でも、一人が三重丸を付けて、他の人が反対した人物の方が、会社を大きく成長させる人材となる可能性が高いそうです。

 

  • CEOはTシェイプを心がける

 単語の聞き間違いをした可能性がありますが、CEOは「Tシェイプ」を心がけるべきだそうで、Tシェイプとは、会社全体を広く浅く把握した上で、その時々に注力すべき事柄にだけ深く関与するという意味だそうです。

 

  • CEOの楽しさは?

 生み出したサービス/プロダクトがユーザーをDelightしていると実感できるのはもちろん楽しいけれども、それ以上に、「これもダメ、あれもダメ、じゃあこれを試そう!」といったような試行錯誤そのものが最高に楽しく、そのようなプロセスを楽しんでいるということでした。また、自分一人ではできないと思ったこと(しかし重要で、やらねばならないこと)をチームで達成したときにも楽しさを実感するとのこと。

 ただし、Financial Successを目指すのであれば、スタートアップのCEOは割に合わないそうです。

 

  • これまでに投資家から受けた一番のバリューは?

 お金、だそうです。それと、シード期に受けた投資で、IPOが絶望的になった場合の買戻条項とかを投資契約に織り込まず、さらにマルチプルをかけて高いバリュエーションを付けていただいた大変有難い経験があったとのことでした。

 

  • 自分だから成功できると考えるのは危険

 成功したのは、そのための努力を怠らなかったからで、自分だから成功できると確信するのは非常に危険とのこと。

 

以上、ざっと書き出してみましたが、お二人の言いたいことを正確に反映できていない可能性もありますので、その点はご了承ください!

サンフランシスコでインターン中のSさんの話

こんにちは。色んな人に話を聞くブログ、第二回目です。

今回は、大学院を休学し、サンフランシスコの某スタートアップで、エンジニアとしてインターン中のSさんのお話です。Daily 1万PVの個人サイトを運営するツワモノです。

 

今回のトピックスです。

  • サンフランシスコでインターンしている理由
  • PVを増やす方法
  • 優秀なエンジニアの条件

 

以下、本文です。

  • サンフランシスコでインターンしている理由

 Sさんは大学院を休学するまで、日本のスタートアップでアルバイト的に働いていたとのことですが、そのスタートアップ自体は失敗に終わってしまったとのこと。しかしながら、その経験が非常に楽しく、当時、色んなベンチャー経営者の本(南場智子さんの「不格好経営」がおすすめとのこと)も読んでいて、俺もやらねば!となったそうです。

 その後、サンフランシスコのスタートアップにメールを送ってみたところ、「お金は出せないけど仕事はある」という回答があり、働ける場所があるなら行くか!となり、今は大学院を休学し、サンフランシスコでインターンをされています。

 

  • PVを増やす方法

 大学時代の友人とWEBサイトを立ち上げ、現在はDaily 1万PVとなっているようですが、サイトを大きくするには、「見つけてもらう」ことと「使い続けてもらう」ことの2つに分けて考えると良いそうです。

 「見つけてもらう」には、主にSEO対策。しかし、できることは限られているようで、GoogleのKeyword Planner(AdWordsに登録すれば使えるようです)で、たくさん検索されているものの中から、自分のサイトのコンセプト周辺のものを1つ選び、そのKeywordで一位を獲るという戦略をSさんたちはとったそうです。そのKeywordで一位を獲るには、そのKeywordを意図的にたくさん使って文章を組み立てる必要があるとのことですが、やりすぎるとGoogleにスパムと見なされるので、Googleに好かれる文章(よくわかりませんが)を書く必要があるとのこと。

 次に、「使い続けてもらう」ために、単に情報を閲覧するだけのWEBサイトではなく、ある趣味を持つ人に有用なツールを提供しているそうです。そのため、その趣味を持つ人は何度もSさんのサイトを訪れて、ツールを使ってくれているとのこと。

 

  • 優秀なエンジニアの条件

 Sさんは、某大学の理科一類から工学部に進んだそうですが、大学3年まではプログラミングなんて知らず、サークルで「ウェーイ」とやる、普通の大学生だったそうです。しかし、大学の授業でプログラミングを知り、面白い!となり、ハマっていったそうです。優秀なエンジニアの条件を尋ねると、異常な知的好奇心が必要とのこと。とにかく好きだからやる、といったようなNatural Born Engineerであることが、優秀なエンジニアの条件のようです。

 

以上、サンフランシスコでインターン中のSさんのお話でした。Sさん、貴重なお時間をいただきありがとうございました!

シリコンバレーで就活中のJさんの話

さあ始まりました!

色んな人に話を聞くブログ、第一回目です。

 

記念すべき第一回目は、大学院でコンピュータサイエンスを学び、スタートアップ勤務→起業を経て、現在シリコンバレーで就活中のJさんです。就活の合間に、フリーランスとして色んな企業からお仕事を受注したりもしているようです。

 

以下、今回のトピックスです。

  • 問題になりそうなことは先に契約書を巻いておく
  • 会社を成長させるために集めるべき人材と、それぞれに与えるインセンティブ(持株比率等)は分けて考える
  • Co-Founderは2~3人が良い(ITサービスの場合)
  • 過度な競争主義は良くない(特にエンジニアにとって)
  • 投資家(ベンチャーキャピタル等)に期待すること
  • シリコンバレーで就活する際のコツ

 

以下、本文です。

  • 問題になりそうなことは先に契約書を巻いておく

 Jさんはスタートアップ勤務時代、投資家との交渉に多くの時間を費やしたそうです。その原因は、(Jさん入社前に)会社と投資家の交渉が口約束で行われており、問題が発生した際の責任の所在、責任の取り方が不明確であったためとのこと。日本で起業を考えている方は、伝統的な日本の商習慣的なノリで交渉を進めると、無駄な仕事を増やすだけなのでやめましょう。

 

  • 会社を成長させるために集めるべき人材と、それぞれに与えるインセンティブ(持株比率等)は分けて考える

 人を採用したら、その人のリスク性向を見極め、株を持ってもらうのか、単にサラリーだけ払うのか、といったインセンティブの与え方には細心の注意を払うべきとのことです。Jさんはこれまでの経験から、人間は危機的状況になると責任を回避しだすという教訓をお持ちだそうなので、そういった感じがする方には株を持ってもらうのは避けましょう。

 

  • Co-Founderは2~3人が良い(ITサービスの場合)

 これは、Co-Founderが3人以上になると、単純に意思決定に時間がかかるからとのこと。

 

  • 過度な競争主義は良くない(特にエンジニアにとって)

 Jさんは100人以上のエンジニアと仕事をしてきたそうですが、エンジニアは、話の合う人と純粋にものづくりを楽しみたいという志向をお持ちの方が多いようです。そのため、過度な競争主義を取り入れると、エンジニアからものづくりの楽しみを奪ってしまうとのこと。

 また、これは優秀な人材を採用する際にも注意すべきことで、過度な競争主義を取り入れると、社員が自分より優秀な人材を採用したがらなくなってしまうようです。

 

 投資家との交渉で疲れ果てたことが、起業を決意した理由の1つというJさん。投資家に期待することは、自分の直感を信じ抜いて欲しいということ。スタートアップは計画どおりに事業が進むことはありません。投資家には、どんな問題が起こっても、この経営陣なら解決できる、やり遂げられるという投資時の直感を信じ抜いて欲しいということでした(当然、軌道修正が必要な場合には率直に意見を言うべき)。

 

 シリコンバレーはコネ社会。知り合いから会社を紹介してもらうのが一番とのことです。

 

以上、シリコンバレーで就活中のJさんのお話をまとめてみました。Jさん、お忙しいところありがとうございました。今後のご活躍を陰ながら見守っております!